はじめに
プロテクティアの田中です。日常生活において、お茶は多くの人々に親しまれています。お茶は様々な成分で成り立っており、その中でも茶カテキンという成分が特に注目されています。我々プロテクティアはこの茶カテキンに着目し、その機能を飛躍的に高めたスーパーカテキン「カテプロテクト」を開発しました。前回のコラム開発秘話-1では、大阪大学開發博士がカテキンの機能に着目し、その機能性を上げたカテプロテクトの開発に成功したところまで説明しました。このコラムでは、大阪大学発の新カテキン「カテプロテクト」の開発秘話-2として、プロテクティアのスタートアップからカテプロテクトの事業化についてお届けします。

プロテクティア設立秘話
プロテクティアは、大阪大学の研究成果を実用化するために設立された大学発ベンチャー企業です。設立の背景には、カテキン誘導体を用いた抗ウイルス・抗菌技術の実用化という大きな目標がありました。

設立のきっかけ
プロテクティアの設立は、カテキン誘導体の研究成果を社会に還元するためのものでした。奇しくも設立が決まる直前、2009年に関西の若年層を中心とした新型インフルエンザウイルスの感染拡大が社会問題となっており、新規の安全な抗ウイルス技術として大阪大学の開發博士の研究に基づき、カテキンを用いた抗ウイルス・抗菌技術の実用化を目指してプロテクティアを設立いたしました。
プロテクティア設立後、カテキン誘導体の製造方法やカテキンを水溶液中で安定化する薬液開発など、実用化研究に取り組みました。カテキンは非常に高い抗酸化力を持つ一方、特に水溶液中で速やかに酸化されてしまい、酸化分解されてしまいます。カテプロテクトは脂肪酸エステルでカテキンを保護しているため、比較的酸化安定性は高いですが、それでも水溶液中での安定性が課題でした。プロテクティアの研究開発により、溶解性・安定性を担保できる薬液の開発を中心に行い、スプレー剤や繊維加工剤として実用化いたしました。またそれまでのフラスコベースでのラボ合成から窯ベースでのパイロット生産に至るまでスケールアップを行い、商業的に販売ができる体制を構築いたしました。
現在は1) 不織布繊維の加工剤, 2) スプレー・ウェットティッシュなどの薬液の2製品を開発済みで、今後も製品展開を進めてまいります。

今後の展望
プロテクティアは、今後もカテキン誘導体を用いた技術の実用化を進めていく予定です。特に、環境消毒の分野だけでなく、化粧品や食品など、より人の身体に近い製品への展開を目指しています。プロテクティアは、社会に貢献する企業として、今後も多くの人々をウイルス感染から守るための製品を提供していくことを目指しています。