1. はじめに(導入)

手指消毒剤やうがい薬、スプレーなど、抗ウイルス性をうたう液体製品が増えている中、「本当にウイルスに効果があるのか?」という疑問に応えるため、第三者機関による評価試験が重要視されています。今回は、当社で実施した液体製品の抗ウイルス試験の事例をご紹介します。

2. 抗ウイルス性評価とは?

抗ウイルス性評価とは、製品がウイルスの感染性をどの程度減少させるかを定量的に測定する試験です。医薬品としての効能を示すものではなく、あくまで衛生性能の一環としての評価です。

3. 試験方法:ASTM E1052法・EN14476法

当社では、以下の2つの国際的な試験法に基づいて評価を行っています。

  • ASTM E1052:液体製品のウイルス不活化効果を評価する米国材料試験協会の標準試験法。
  • EN14476:欧州で広く用いられる、医療・衛生分野向けの抗ウイルス性評価法。

対応ウイルス例:

  • インフルエンザウイルス(A型PR8株)
  • ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)
  • ヘルペスウイルス、コクサッキーウイルスなど

※その他のウイルスについても、当社保有株の中で対応可能なものがございます。ご要望があればご相談ください。

4. 試験の流れ(図解付き)

試験サンプル:
液体製品(原液または希釈液)

  1. 試験ウイルスと試験液を一定比率で混合。
  2. 所定の作用時間(例:5分、15分)静置。
  3. 中和液を加えて反応を停止。
  4. 中和後の液を細胞に感染させ、感染価を測定。
  5. ウイルス減少率を以下の式で算出:

  ウイルス減少率(%) = 試験液処理後感染力価/処理前感染力価 x 100

※対数減少値(log)に沿った結果報告など、ご要望に合わせて調整可能です。

5. 評価基準

  • 医薬品相当:ウイルス減少率99.99%以上(log4)など

6. おわりに

液体製品の抗ウイルス試験は、製品の衛生性能を客観的に示すための重要な手段です。スプレー、うがい薬、手指消毒剤など、さまざまな液体製品に対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。